有限会社 造形企画【カニ看板】

会社名の書かれた大きな扉


JR大和路線の史紀駅を下車し徒歩10分ほど、古い工場や住宅が渾然一体とした下町的な住宅地の突き当りに、大阪道頓堀の三代目カニ看板を製作された有限会社・造形企画があります。近作では、高さ17メートルにもおよぶ「安売量販店ドンキホーテ」のレリーフを作られたそうです。その店舗はカニ看板と同じ道頓堀に来春オープン、大阪の新しい名物看板が誕生します。

社長の岡田修さんは現在57歳。もともと立体造形に強い興味を持ちながらグラフィックの勉強をされていた高校生の頃に、平等院鳳凰の原型模型を制作する京都の造形師の方を知ったのがこの道に進むきっかけとなりました。弟子入りを希望しましたが諸事情もあって断念、しかしその時にゆずっていただく事ができた鳳凰の頭像を今も大切にされています。
グラフィックデザイン事務所・店舗設計施工会社などを経た後、27歳の時に本格的に会社を設立し、すでに30年この道を続けていらしゃいます。

社長の岡田さん

ベースになるデザインが渡される仕事であっても、ここで生み出されるオブジェの詳細なアイデア、デザイン、設計はすべて社長さん自身がすべてをまとめています。凹みや傷に至るモノの質感にこだわり、それを忠実に再現するスケールの大きいFRP模型が造形企画の得意分野。会社のパンフレットをめくると、写真では本物と見分けのつかない様様なオブジェクトが並んでいます。
依頼の中にはデザイン画も無くサメとエイを作ってくれ。といった話もあるそう。全てが岡田さんのイメージに任されます。テーマパークのUSJでは、入園門の頭上にある地球儀のようなシンボルマークのオブジェクトも社長さんの作品のひとつ。園内の建物ファサードのいくつかも手掛けられています。街の中を歩いていれば、知らない間にいくつもの作品を目にしていた事に驚きました。

工場には、大きな発泡スチロールの塊を刻む大きなヒートカッターがならんでいたり、大小ざまざまな型がところ狭しと並んでいました。原型は発泡スチロールや粘土を使いますが、岩などのリアルな表現が必要な時には実際のものを使うこともあるそうです。それらをシリコンゴムで忠実に型取りし、FRPで成型しつなぎ合わせ、こまかな部分を修正しながら下塗りを施し、仕上の塗装を行います。
木や石や質感を再現するためにいろいろな工夫をしながら塗装したり、時間を短縮しながら完成させるための材料の選別など、創意工夫の研究は怠りません。お話を伺う中では、そんな時間で作ってしまうのか~と思う事もしばしばです。


左:屋上に無造作におかれたオブジェの型・奥に見えるのはマックフライポテト!?
中:忠実に再現された岩肌
右:奥に見えるのは原型を作る発泡スチロール・手前に見えるのは彩色前の柱型模型


FRPの可能性に信頼を置く社長さんは、自宅の建設の際に内外共にさまざまな部分で自作のレリーフや部品を使われていもいます。自宅にも使う事で、信頼出来る材料であると証明したいのだと話されていました。
仕事はデザイン事務所や設計事務所からの依頼が多いそうですが、予算あってのこと、はじめ良かったデザインがそうした制約でつまらないものになってしまうと意味が無い。日本の企業はそうしたところにお金を渋るのが駄目だとまで言われます。そんな社長さんが最後に、予算に縛られず自分の店でとことんやりたい、と言われたのが印象的でした。
とは言え、予算の事など考えず制作に没頭されていそうな勢いが岡田社長さんの魅力かもしれません。

大事にされている平等院鳳凰の頭像


【案内】 
有限会社 造形企画
ゾウケイキカク 岡田 修
大阪府八尾市弓削町南2丁目28番3 TEL:0729-48-2417

【参考サイト】
道頓堀の三代目動くカニ看板
・・・技あり関西|読売新聞大阪

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