のし

優勝セールに賑わう阪神百貨店で、明後日に控える地鎮祭に持参するお祝いのお酒を買った。
前回ここで買った時に「のし」を頼むと、文字がすべてパソコンで印字されて来た時には驚いた。
文字は人に書いてもらうに限る。
酒屋の奥にいる隠居した爺さんに書いてもらうのが良い。
など、贅沢も言えないし今回も同じだろうと半ば諦めていたが、
お祝いだから「のし」をつけてくれ、と頼んだら、応対した店員は忙しいからか、
なんと書くかも聞かずに棚下の「のし」を引き抜き、すかさずパソコンに向かってしまった。
お祝いと書いた「のし」を持って戻って来た彼女に、いやいや「奉献」と書いてくれ、事務所名も。
すると今度は忙しいのに別の店員に文字入れを頼んでいる。
「奉献」と頼んだのが良かったのか?
頼まれた方の店員は忙しそうな周囲に目もくれず、筆を片手に「のし」に向かいだした。
出来そうな雰囲気。若いお姉ちゃんだった。
普段は時間が合えば、お気に入りの爺さんがいる酒屋に行く。
たまに間に合わせに適当な酒屋に入ると、なんとも頼り無い文字に仕上がり、なんだか幸先が良くない。
このお姉ちゃんは、はたしてどうだろうか。
事務所名が長かったせいか、はじめに書いた「のし」の出来上がりが気に入らず、
一枚を捨ててまた向かいだした。
出来上がった二枚目の「のし」を確認させてもらって、柔らかくも力強い「奉献」の文字に満足。
しかもわざわざカウンターを回り込んで、丁寧に持って来てくれた。
今度は忙しいのに申し訳ないばかりだった。
幸先が良い。

Related posts

コメントを残す