鬼に訊け -宮大工 西岡常一の遺言- とダークシャドウ

立て続けに魔物映画2本。1本はジョニーディップ扮するドラキュラ映画。1本は実在の人物、宮大工・故西岡常一氏のドキュメンタリー映画。これを並べて書くのもどうかと思いつつもですが、お許しのほど。

観た順序とは逆に、鬼と呼ばれた西岡棟梁の映画から。
このドキュメントは平成2年から3年半にわたって撮影されたインタビューを中心に、西岡棟梁の人間像に迫ったものです。
建築に携わっていながら、知った大工さんの名を挙げろと急に言われれば、この西岡棟梁とお弟子さんの小川三夫さんのお名前ぐらいしか、恥ずかしくも思い出せないかもしれません。大学時代に少しばかり興味を持って著書を読ませていただいているが、それもほとんど頭に残っていません。たまたまネットでこの映画の上映を知り、思い立つものを感じ観に行った訳です。
仕事の多くで木造住宅をやらせて頂き、やればやるほどに面白く思える反面、奥の深さや難しさを感じるようになってきました。しかしこの映画を観、宮大工の仕事とは次元の違うまるで机上の空論で建物を造っているのだと、分かってはいてもがっくり肩を落としそうな気分です。その次元を差し引いて想像しても、経験を積み重ねて時分の仕事に確信を得るのは、遥か彼方な行程に感じざるを得ません。
もっと仕事に悩み「訊ける」方との関わりを持つ事が大事な気がしています。

西岡棟梁が健在な時分、僕は小学生時代に斑鳩に少し住んでいました。法隆寺のスケッチもしたし、遊びに行っています。もしかしたら棟梁とすれ違っていたかもしれない。いま考えるとア〜もったいない。(ドウシヨウもありませんが)

西岡棟梁が鬼なら、ジョニーディップはドラキュラで。ティムバートン監督のダークシャドウはとても楽しめました。よくは知りませんでしたが、最後のエンドロールでテレビドラマのオマージュ版と分かり、映画の作りにいろいろ納得。この映画は自分と同じ40代以上の方の方が楽しめるのではないだろうか。
ところで物語の中で、主人公のバーナバス・コリンズ(ジョニデ)がまだ幼いころから、築造を始めたお屋敷は完成までに15年の歳月を要したと話していた。装飾の多いああした洋館は一体どのくらいの工程で建つものかと、どことなく思っていたので、15年という数字は物語の本筋とは全く関係なくひとり納得していた。まあしかし15年もやっていたら設計変更なんてきりが無いのかもしれない。計り知れなく続く工事に、きっと耐えられなくなりそうです。隠し部屋や秘密の通路の設計者はきっと、数奇な運命に終わるのでしょうね。ア〜怖い。

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