
このプロジェクトの進行は、CGデザイナーである施主との対話によってその多くがなされています。
残された無数のメールの中に両者の葛藤を読み返すことが可能でしょう。
お互いの意見がぶつかりあい融和され、ようやく一つの形が生まれました。
都市に典型的な2メートル巾の通路の奥に拡がる袋小路の敷地は、 偶然にも条件に恵まれたことでいろいろなことをより可能にしてくれました。
時期的なタイミングが外れてしまえば、このプロジェクトは非常に難航するものとなったでしょう。
いずれは周囲に建物が立ち並び、この小さな住居は街に埋もれてしまうことになるかも知れません。
その見えない未来を予測することで一つの方向性が定まり、より明確なものへ構築されました。
気持ちの中では避けたい我々のその予測が当たってしまったとき、この建物は地下から地上へ向かうか のような疑似体験を生み出すことになるかもしれません。
01「 外観 」
フレキシブルボードで囲われた外観が現われた時、まるでおもちゃ箱の様に見えました。突き出た部分の正面が専用通路になった旗状地です。将来は周りを囲まれてしまうかもしれません。そんな懸念を持ちつつの計画でした。
02「 ガラスのファサード 」
突き出た部分はガラス張りの階段室になっています。イスが見えるのは、正面 の踊場を少しだけ広めにとって、カフェスペースのようになっているからです。
03「
夜景 」
夜、照明をつけるとガラス張りの階段室が象徴的に浮かび上がります。
04「 玄関 」
玄関に入ると、2階にあがる階段と半地下に下がるスロープがあります。階段は住居スペースに繋がり、スロープはスタジオに繋がっています。鉄骨にペンキ塗りなので、基地っぽいインテリアです。
05「 スタジオ 」
基礎の形を利用した少し半地下のスタジオです。施主さんはコンピュータを使った仕事をされているので、窓は少なくなっています。男の城と言った趣きです。
06「 2階への階段 」
玄関から別れて階段を上がるとリビングに繋がっています。正面に見えるのはキッチン。GEの冷蔵庫が迎えてくれます。手前のスロープへ進むとと正面のカフェスペースに着きます。
07「 階段室 」
3階からガラス張りの階段室を見下ろした所です。正面の専用通路の向いには花屋さんがあります。時には通行人と顔を合わせてしまう事もありますが、それも楽しんで頂けている様です。
08「 リビング 」
天井の奥はトップライトになっています。閉塞的に見える外観ですが、実際にはいろいろな所から光が入り、訪れた人は予想に反し明るいことに驚かれます。周囲に建物が建っても明るさに影響が出る事はほとんどありません。
09「
キッチン 」
トーヨーキッチンのユニットに少し手を加えています。手前のフレキシブルボードに囲われたアイランドがシンクになっています。
10「 リビング南側 」
トップライトから採光を取っています。周囲の建物の合間を縫って外が見える位置に窓は配置してあります。
11「 リビング北側 」
階段室の入口はポリカーボネイトの建具で仕切ってあります。写真はリビングの照明を消して、階段室などの明かりだけにして遊んでみた所。ぼんやりとした光が不思議な感じです。
12「 寝室からテラスへ 」
テラスの床続きに見えるガラスの部分がリビングのトップライトです。外壁に使ったフレキシブルボードを内装まで続けて使いました。
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完成年月:2000年
このページの本文中の写真撮影:絹巻写真事務所>
【掲載等】
- 「project HOUSE 99.99 」施主さんHP
- 「新建築住宅特集」No.182・2001年6月号
- 「カーサウェスト」No.12・2001年夏号
- 「LiVES」 vol.06・2002年秋号