
施主さんとお会いしたのは、一番はじめにお電話を頂いて一年を過ぎた後のことでした。すっかり忘れていた頃に2回目の電話がありました。思いを溜めた若い施主さんの見つけて来られた土地は三角形だったのです。
小学生のころに誰もが使った30度60度90度の三角定規がすっぽりとはまる小さなその土地に、少なからず不安もありましたが、思いを込めた三角形の小さな住宅を建てることになりました。
坂の途中なので1Mほどの落差のある緩い土地の傾斜を利用し、小さいながらもスキップフロアのある楽しげな住宅が完成しました。とんがった三角の床には日だまりも出来ます。
かわいらしい小物がたくさん飾られ、小さな娘さんの友達が毎日遊びにくる。微笑ましいが絵になった、そんなお宅です。
01「 敷地 」
斜面になった道路と用水路に挟まれた敷地は、ちょうど小学校の時に使った三角定規のような形になっています。施主さんと一緒にはじめて敷地に立った時、どこに建てますか?と聞かれました。即座にやっぱり角でしょう。と言う事で三角の家の計画が始まりました。角が好きと話をされる施主さんの苗字には、もちろん「角」がついています。
02「 外観 」
工事の最後あたりで、屋上の床を抜いて2階と増築した3階を繋げました。正面は小さいですが、納戸になっています。 1、2、ルート3で言えば、この写真に写っている面はルート3。道路際に建っているので、近所を見渡してもひときわ大きく見える家ですが、実は一番小さいかも。やや斜面になった敷地を利用して、スキップフロアの計画になっています。
03「
玄関 」
玄関を入ると落差のあるフロアが見えています。中の様子が少しずつ垣間見れ、すぐに理解出来るようで出来ないところが、この家の面白さかもしれません。
04「 洗面スペース 」
玄関を上がるとすぐに洗面スペース。右手がトイレ。
洗面を廊下に放り出し、家の真ん中で顔を洗っている気分。階段から明かりが溢れ、暗くもなりません。。
05「 ダイニングとキッチン 」
階段から半階上がると、食堂にでます。三角の先に向かってキッチンが続いています。写真はさらに少し上がった居間から望んだところです。パリのアパートみたいな雰囲気というのが、奥さんの要望。そんな風に見えますか?
06「 キッチン 」
凝った小物の並ぶキッチンは大工さんに作ってもらいました。カウンターは丸いモザイクタイル。正面には色とりどりのタイルを貼っています。
07「 ダイニングからリビング 」
キッチンから南に向いて、居間を望んだところです。照明は梁間に渡した棒に引っ掛けているだけ。自由なレイアウトが楽しめます。食卓テーブルの向こう側では、1階の音楽室が覗け、リビングの左手は子供部屋に続いています。
08「 子供室からリビング 」
小さなキッチンセットとドラムの並んだ子供部屋。決して広くはありませんが、子供にとって楽しい部屋に違いありません。
09「
音楽室 」
1階に戻って、玄関横にある音楽室。マック好きな施主さんは新旧のマックを3台並べて楽しんでいます。背中には半畳にも満たない小さな録音室もあり、夜な夜な音楽作りを楽しまれています。
10「 寝室 」
玄関の奥に見えていたのが、この寝室。玄関ホールから少し降りるように入っています。
ダブルベッドを置くとめい一杯ですが、落ち着いた感じに仕上がりました。
11「 浴室 」
まるで水族館の魚になった気分がする真っ青の浴室。FRP防水の質感を確認してもらおうと思って、持って行った標準色サンプルを施主さんが気に入ってしまい、そのまま採用。出来上がってみると意外に落ち着いていて、一度は入ってみたくなるお風呂になりました。
12「 夜景外観 」
三角形の先っぽから見た夜景です。キッチン横にある2階の大窓には、夜になると屋根の登り梁が、魚の骨のように浮かび上がってきます。
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完成年月:2004年
このページの本文中の写真撮影:絹巻写真事務所
【掲載等】
- 「PLAS 1 LiVING」no.41・2006年2月号
- 「月刊ハウジング」no.265・2006年8月号